148+75=223 Days 「10295.09km」

「やっぱ、こんなもんか。」

喜望峰に着いた時、そんな気持ちだった。


アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ大陸横断の最後だから何かしら感じることはあるかと思ってたけど、特になにもなく淡々と仕事をこなしていった感じだった気がする。

…別に、これが初めてじゃない。

アメリカでニューヨークに着いた時も、ヨーロッパでリスボンに着いた時も、ゴールに到着する前に何となく「あぁ、そんな感動とかはないだろうなー」って思ってた。

ただそんなモヤモヤしてた気持ちと共に、今回は初めて、違うことも感じていた。
そう。
「そろそろ違う方法で、新しい方向へ行け」って。

これはアフリカ最高峰のキリマンジャロを登頂したときからずっと感じてた。
…けどホントはもう、何か分かったてたんだと思う。
なかなか踏ん切りがつかなかったけど、あの登頂ではっきりと分かった。

次のステージにいけって。

だからアフリカの道中はほぼウィニングランというか、次の方向に向かう為の最後の道になるっていう気持ちだったかな。

もちろんこの自転車で海外を旅するスタイルは自分にとてもフィットしてるし、今後も機会をつくってやりたいけど、今はそれ以上にエキサイティングな自分のやりたいこと・やらなきゃいけないことに力を注ぎたいと思ってる。

アメリカ、ヨーロッパ、アフリカを223日かけて10295.09kmを走ってきたけど、自転車を盗まれたり意味の分からない言葉で罵倒されたことなど、悲しいこともあった。
だけど、それら以上に本当に楽しくて嬉しいことが多かった。

色んな人に出会え、日本では経験できないことを経験でき、多くの「優しさ」に触れさせてもらえた。

言葉が通じない人達に出会い、ガイドブックにも載ってない食べ物を食べ、誰も知らないであろうと思う場所を走る時に感じたあのワクワク感は忘れない。

自分がしなきゃならないことはアメリカを横断をしたあの時から変わってないし、今後も変わることはない。
ただ、それが学生の身分から社会人になったことで、より大きくしてかないと。
今はそう強く感じる。

多分、これからは今までにないストレスフルな場面に出会うこともあるだろうけど、大丈夫。
これまでにない色々な人と出会え、多くの貴重な経験ができると思うから。

本当に楽しかった223日と10295.09kmでした。
ありがとう。

これからもよろしく。
ではまた、世界のどこかでお会いしましょう!